技術・工法

テーパー杭

海洋技術

テーパー杭は、『確実に押し込み抵抗力を発揮』し、
『杭長を短く』することができます。

テーパー杭とは、杭の先端にテーパー部を連結した杭です。テーパー杭は、通常の鋼管杭より『確実に押し込み抵抗力を発揮』し、『杭長を短く』することができます。また、テーパー杭は、鋼材使用量が減るため、『CO2排出量を確実に減らす』ことができます。

※テーパー杭はNETIS登録技術です。
 KTK-220004-A

テーパー杭打設状況
テーパー杭打設状況

施工方法

テーパー杭の施工方法は、通常の鋼管杭の施工方法と同じで、特段の機材等を用いる必要がありません。テーパー杭は、次のような構造物に適用できます。

①港湾工事

桟橋、ドルフィンの基礎杭、浮桟橋の係留、係船杭、杭式防波堤、橋梁下部工の杭基礎 など

②陸上工事

構造物の杭基礎、仮設桟橋の杭基礎など

桟橋の杭基礎工事イメージ
桟橋の杭基礎工事イメージ

工法の原理

テーパー杭は、打撃施工の過程において、杭の周辺地盤を押し拡げるため、周面抵抗力が増加します。この現象は、テーパー杭のテーパー部が通過したストレート部においても残存するため、杭全体の周面抵抗力が増加します。
特許第6797096号

テーパー杭の紹介

テーパー杭とは、「テーパー部」と「ストレート部」をもつ、鋼管杭です。
(ストレート部は、1/β:杭の特性値 以上の長さ)
テーパー杭は、施工の際に杭周辺地盤を側方に押し拡げるため杭の周面抵抗力を増加させます。

①テーパー部

テーパー部による押し拡げ、形状の違い

②ストレート部

テーパー部の押し拡げが残存

テーパー杭は、ストレート杭と比較して、テーパー部、ストレート部ともに周面抵抗力が増加します。

工法の特徴

①テーパー杭はストレート杭より杭長を短くできるため、コストを削減し、工程を短縮します。
②テーパー杭は、杭径や先端の地盤の影響を受けづらいため、確実に押込み抵抗力を発揮します。
③テーパー杭は、使用鋼材量が減るため、CO2排出量を削減します。

ストレート杭とテーパー杭を用いた実証試験の状況
ストレート杭とテーパー杭を用いた実証試験の状況

ノート

テーパー杭は、環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 地球温暖化対策事業室「CO2排出削減強化誘導型技術開発・実証事業」の委託事業(2017-2019)にて研究を進めました。この場をお借りして関係者の方々に感謝の意を表します。