技術・工法

薄層浚渫
『薄層グラブ工法』

海洋技術

近年の浚渫工事は、環境問題や水域利用者等への配慮が求められています。そして、浚渫土の処理・処分にも大きな制約があります。
そこで、本工法は、土厚に応じて2つのシェルを有効的かつ臨機応変に使い分けて行う新たな薄層浚渫で、
『工期短縮』・『水質汚濁の発生・拡散抑制』・『余掘り低減』を実現します。

工法の特長

①2つのシェルによる薄層浚渫

共有となるグラブバケットのヘッドとロットで、土厚1m以下の薄層浚渫に対応したミドル・シェル(M・S)と土厚0.5m以下の超薄層浚渫に対応したワイド・シェル(W・S)を臨機応変に使い分けます。

②浚渫船上でのシェルの交換

2つのシェルを浚渫船上で交換できる業界初の構造です。(半日で交換可能)

③グラブバケットの単独海上輸送

専用架台により海上輸送が可能であり、直巻き100~110t級クレーンに装着が可能です。

3つのメリット

①『工期短縮』

幅広シェル(国内最大級)による浚渫効率の向上

シェルの開口面積が広いため、1シフトでの掘削回数が少なくなり、掘進速度が上がります。すなわち、工期短縮につながります。

②『水質汚濁の発生・拡散抑制』

含泥率の向上による汚濁の抑制

M・S、W・Sともに含泥率が50%以上と高いので、汚濁発生が抑制できます。
また、空気抜き用特殊ゴム蓋板(逆止弁)を有した密閉式シェルカバーの装着により、汚濁拡散を抑制することができます。

③『余掘り低減』

平底による余掘り低減

従来のグラブバケットに比べ、M・S、W・Sは平底であるため、水平掘りシステムと組み合わすことで今まで以上に凹凸のない仕上げ掘りができます。
よって、深掘り防止となり、余掘り低減につながります。

掘り跡比較

  • 薄層グラブ工法のワイド・シェルの場合
    薄層グラブ工法のワイド・シェルの場合
  • 従来のグラブバケットの場合
    従来のグラブバケットの場合